センパイ

ガキのころ「大人は汚い」と思ったことがある人がどれだけいるんだかわからんが、私はそう思った。加齢してみて、大人が汚いというよりも、ガキのころが無駄にキレイだったのだろうと考えるようになった。
その後「大人」という概念は置き換えられずにきたが、この言葉を使うと自分が無力でキレイな存在だ、と無意識に仮定してしまうので、どうも都合が悪い。そこで「センパイ」という単語で置き換えてみると、いろいろ筋が通った。


・センパイは汚いこともあるが、大抵は汚いことが嫌いである
・センパイはすごいこともあるが、もとはそれほど変わらない
・センパイはローンを抱えたり睡眠時間が少なかったり大変であることもあるが、まあ楽しくやっている
・センパイは大抵の場合後輩を歓迎している
・センパイにもいろいろある
・自分もいずれセンパイになる

「我以外皆師」だと息がつまるが、センパイなら良かれ悪しかれお気楽だ。