グラビアアイドルを後輩が連れてきたら

前にも書いたが、SPAに連載中の「グラビアン魂」は、思考とは何か、言葉とは何か、女性とは何かについてあまりに深い洞察を含んだ珠玉の対談だ。いや本当に。グラビアや女性に興味のない人が読んでも面白いのではないかと思う。

リリーフランキーみうらじゅんが彼らのセンスに基づいてグラビアアイドルを評するのだが、よく登場するのが、『この子を後輩が「これ自分の彼女っス」と飲み屋に連れてきたら、かなりきついなあ』「そうっすね」というやりとりだ。いつも読み流していたが、よく考えるとこれは非常に偉大な概念化に見える。

異性の魅力をはかる尺度はあまりにも多次元すぎるというか一口には言えないものだが、『後輩が彼女として飲み屋に連れてきたときに受ける衝撃の度合い』はかなりうまくこれをシリアライズできていると思う。同級生が連れてくると嫉妬や怨念といった余計な感情が作動するし、先輩が連れてくるとどうしてもうっとうしい。つまり同級生や先輩が連れてきたときに受ける衝撃は、その女性の魅力だけでなく、社会的要素にも依存している。しかし確かに後輩に連れてこられて初めて衝撃をうけ、これまでの人生とこれからの人生について考え込まされるのだ。こういう風にうまいこと言葉を使えたらどんなにいいだろう。