よしながふみの大奥超おもしろい

最近漫画ばっかり読んでるな。
しかし、こういう話が書けるんなら漫画なんか書いてないで社会貢献しろよ、って思った。あるいは、こういう話に感激しているような甘ちゃんは、春日局みたいには絶対なれないよ、ってことなのかね。


神分析。
http://d.hatena.ne.jp/ityou/20080213
これだけだと納得いかない場合はこれを下敷きに。神分析。
http://homepage1.nifty.com/~yu/diary/200305a.html#0201

疑問点ほか

  • 主上がりのイケメンのそもそもの大目的は「衆生を救う」だったのだが、途中でそんなことより上様の方が大事になる。それに対しこの目的をより具体的により執念深く達成しようとしているのが春日局だ。彼女に操られ敗北したイケメンは衆生を救う気もなくなり、上様とも引き裂かれ、後半は生ける屍のように成長を止めてしまう。それに対し上様は神君家康の血を爆発させものすごい成長。しかし、その上様には達成すべき目的というか勝利条件が無いのだ。なんという。
  • やることなくなったイケメンが菊を植えて大奥のQOLを高める場面で、作者によるツッコミが入っているが、これは敢えて書かずに読者自身に突っ込ませたほうがより美しく完成度が高いように思う、が、一巻を覚えてなくてこれが無駄につながることに気づかない読者もいるだろうから、親切さという点ではあったほうがよい。こんなに典型的な完成度VSわかりやすさのトレードオフは滅多にお目にかかれない。ここらへんは素で統計をとってみたい。
  • 春日局がためらい無く愛する息子に国家のための死を命ずるシーンが良い。彼女の魅力は自分を正当化する、自分が正しいんだという自己像が全くないことによって担保されている。家光が死んでひとしきり動転したあと、いきなり無表情になり息子に死を命ずる、っつう力学が美しい。
  • 春日局の死ぬまでのシーンにわりと紙面を使っているが、意図がよくわからない。絶対に何か深いわけや暗示があると思うのだが、さっぱり読み取れなかった。ここは物語全体に対してどういう重みづけのあるシーンなんだろう。
  • より泥沼化するパターンは上様の娘とイケメンができちゃうことだろう。加齢による容色の衰えも扱えて一石二鳥。これやると一気にびっくりするくらいつまんなくなるだろうな。