「夜と霧」はエロい

今日発売のSPA!グラビアン魂がすごかった。乳首つきなのに驚いて顔をよく見てみると、本当に美しい人でさらに驚く。顰めた眉がきれいで、かつて中華帝国後宮にいたのはこういう人なのだろうなあと思わせる。AV女優さんらしい。グラビアに負けじとL&M対談の表現力も病的な水準にまで高まっており、居合のような切れ味。
お決まりの台詞だけど、こんなきれいな人がAVなあ。社会だか市場だかが倒錯しているとしか思えない。


みんな真善美が好きだ。
つい最近まで勘違いしていたが、これは、だったらいいね!という希望的観測であって、真=善=美であるという事実は観察しがたい。間違っているけど格好いいものとか、悪いんだけど正しいとか、そこらじゅうそういう文物ばかりである。三すくみのような気がしなくもない。そのような視点からは、変態(性癖)とは社会的に悪くて偽なものに美しさを感じる心根のことをさすのだろう。


フランクルの「夜と霧」を、アウシュビッツの白黒写真が歴史的資料としてついている版でたしか私は読んだ。なんで私はあんな気色の悪い話を感動しながら読めたのか。あの鳥肌は実は感動ではなく興奮で、あの骸骨だかなんだかが山積みになった写真になんらかエロさを感じていた....のだとすると、何ともすがすがしくない話だ。


ここまで考えさせられるグラビアもあるものなのかと嘆息する。